サイトをリニューアルしました — WordPressからSveltia CMSへ、AIと作るサイト管理
本サイトをWordPress + ElementorからAstro + Sveltia CMSへ全面移行しました。移行で得た5つのメリットと、デザインから実装・記事移植までAIと協働した「AI時代のサイト管理」の実際をまとめます。
本サイト(kske.info)を全面リニューアルしました。旧構成は WordPress + Elementor、新構成は Astro + Sveltia CMS + Cloudflare Pages です。
このリニューアルは、単なる見た目の刷新ではありません。デザインモックの作成から実装、旧サイト37記事の移植・リライト、問い合わせフォームやOGP画像の自動生成まで、ほぼ全工程をAI(Claude)と協働で進めました。「AIを、経営の言葉で」を掲げるコンサルタントとして、自分のサイトがその実証例になっている — 本稿はその舞台裏の記録です。
新旧構成の比較
| 旧 | 新 | |
|---|---|---|
| CMS | WordPress + Elementor | Sveltia CMS(Git-based) |
| ホスティング | レンタルサーバー | Cloudflare Pages(CDN配信) |
| コンテンツの保存先 | MySQLデータベース | GitHubリポジトリ(Markdown / JSON) |
| ビルド | 都度PHP実行 | 静的生成(Astro) |
| 運用コスト | サーバー代 + 保守工数 | ほぼゼロ |
Sveltia CMSに移行した5つのメリット
1. コンテンツが「資産」としてGitに残る
Sveltia CMSはGit-basedです。記事も料金表もプロフィールも、すべてMarkdownとJSONのプレーンテキストとしてGitHubリポジトリに保存されます。
WordPressの実体はMySQLデータベースで、コンテンツの変更履歴は基本的に残りません(リビジョン機能はあるものの、テーマやプラグインの設定変更は追跡不能です)。Git管理では**「いつ・何を・どう変えたか」が全件、差分付きで残ります**。料金を改定した日付も、プロフィールの文言を直した理由(コミットメッセージ)も、後から完全に遡れる。コンテンツが説明責任を持つ資産になります。
2. LLMとの相性が圧倒的に良い
今回の移行で最も価値を感じているのがこれです。
WordPressのコンテンツはデータベースの中にあり、AIに読ませるには管理画面かAPIを経由する必要があります。一方、Git-basedのCMSではコンテンツ・デザイン・設定・コードが、すべて同じリポジトリのテキストファイルとして並んでいます。つまり、Claude のようなLLMがリポジトリを開けば、サイトの全部が「読める」し「書ける」。
実際にこのサイトでは、次の作業をAIとの協働で行いました。
- 旧サイト37記事の一括移植(WordPress REST API → Markdown変換)
- 全記事のトーン統一リライト(新ブランドの語り口へ、5並列で処理)
- 記事ごとのOGP画像の自動生成(ビルド時にタイトルから描画)
- 旧URL→新URLの301リダイレクト表の自動生成
これらはWordPressでは、プラグインを探すか外注するかの二択だった作業です。コンテンツがテキストである限り、AIは編集者にも移行業者にもデザイナーにもなれる。この構図は、これからのサイト運用の前提になると考えています。
3. 速くて、堅牢で、維持費がかからない
閲覧者に届くのは事前生成された静的HTMLだけです。データベースへの問い合わせもPHPの実行もないため、表示は速く、攻撃対象領域は激減します。WordPress運用に付きもののプラグイン更新・PHPバージョン管理・不正アクセス対策・バックアップは、原理的に不要になりました。
ホスティングはCloudflare PagesのCDN配信で、現在の規模なら月額コストは実質ゼロ。レンタルサーバー代と保守の心理的コストが消えたのは、小さくない差です。
4. 記事以外も「構造化データ」として編集できる
Elementorでのページ編集は、ビジュアルビルダーの中にコンテンツが埋まっていく方式でした。文言を1行直すにも、どのウィジェットに書いたかを探すところから始まります。
新サイトでは、料金プラン・サービス内容・経歴・問い合わせ自動返信メールの文言まで、構造化されたフォームとしてCMSの管理画面から編集できます。「料金を変える」は価格フィールドを書き換えるだけ。レイアウトはコードが保証しているので、編集で崩れる心配がありません。
5. 編集画面が軽くて、日本語で、無料
Sveltia CMSはNetlify CMS / Decap CMSの後継として開発されている新世代のOSSで、管理画面の起動も操作もWordPressより体感で数倍軽快です。UIは日本語対応、利用料は無料。編集画面から保存すると自動的にGitHubへコミットされ、数十秒後には本番サイトに反映されます。
デザインはClaude Designで
今回のデザインモックは Claude Design(claude.ai/design)で作成しました。
「WordPressで作られた個人ビジネスサイトを、新デザインシステムのトーンでリニューアルしたい」と対話で伝え、ヒーロー案を4パターン、レイアウトの堅実版と編集的な版、モバイル表示までを比較検討。バーガンディ×真鍮のブランドカラーも、「中小企業診断士という国家資格をどこまで前に出すか」といった経営判断に近い論点も、デザインツール上の対話で詰めました。
確定したモックは「ハンドオフバンドル」として書き出され、実装担当のAI(Claude Code)がそれを読んで本実装する — デザイナーからエンジニアへの引き継ぎと同じ構図が、AI同士のワークフローとして機能しました。
AI時代のサイト管理について
この経験から言えることを、経営の言葉に翻訳しておきます。
サイト管理の本質は「ツールの操作」から「意図の伝達」に移りつつあります。 WordPressの時代、サイト運用の実務は管理画面の操作方法を覚えることでした。これからは、「何をどう変えたいか」を明確に言語化できれば、操作はAIが代行します。実際、本サイトの運用で私が行うのは、CMSでの記事執筆と、AIへの指示出しだけです。
そのとき効いてくるのが、**インフラ側の「AI協働適性」**です。コンテンツがデータベースの中に閉じているシステムと、テキストとしてリポジトリに開かれているシステムでは、AIに任せられる範囲がまるで違います。今回Sveltia CMSを選んだ最大の理由は、編集画面の使い心地ではなく、この適性でした。
中堅企業のコーポレートサイトやオウンドメディアでも、同じ判断軸が有効です。次のリニューアルを検討する際は、「デザインをどうするか」の前に、**「このサイトはAIと一緒に運用できる構造か」**を問うことをおすすめします。5年後のサイト運用コストは、その一点でおそらく数倍変わります。
サイトリニューアル・CMS移行・AIを組み込んだ運用設計まで、本サイトと同じ構成での構築支援も承っています。「うちのサイトでも同じことができるか」というご相談はお気軽に。